ぬけるような青空の下、迎えた江東大会3回戦。
夢の島6面での第1試合の相手は深川ジャイアンツさん。
1年半前、今の5、6年生たちがCチームの時、秋の深川大会の決勝戦で当たって以来の公式戦での対戦です。
元加賀先攻で始まった1回表はまだまだ動きも硬く、抜き球を迎えに行きあっさり打ち取られ三者凡退。
気持ちを切り替えての1回裏でしたが、1番打者がサードの送球ミスでまず出塁すると、続く2番がライト方向へのヒット。盗塁を挟んでノーアウトランナー2、3塁でいきなりのピンチです。
3番打者に1ボール2ストライクで迎えた6球目、やや右前方へのファールボールをケイがキャッチャーフライ。
「よく捕った!」と思ったその時でした。がら空きになったホームに3塁ランナーがタッチアップ!気づいたピッチャーがカバーに入り、送球を受けたものの主審の判定はセーフとなり相手に先制点を献上してしまいました。
続く4番がフォアボールで出塁、1アウト ランナー1、3塁となったところで、5番バッターにライト方向へうまく転がされ、パスボールやカバーミスが重なり追加点を2つ奪われました。
6番を三振にとり、流れが向くかと思いましたが、今日の野球の神様はほんの少し辛口。7、8番打者に、甘く入った球を外野に運ばれ、再び2点追加。9番打者を三振にとりチェンジとなりましたが、打者一巡の長い長い1回裏となりました。
2回表、4番ケイがレフト前に痛烈なヒットで出塁。さあ反撃開始!と思われましたが、5番リュウの打球はセカンドゴロとなり、セカンドに向かっていたケイがタッチアウト、ファーストへ懸命に走ったリュウも間に合わず、ダブルプレーとなりました。
2アウトランナー無しで、嫌な雰囲気も漂う中、6番、7番がフォアボールで出塁。なんとしても次に繋げたい場面で8番コウシロウ。打ち上げたか…!?とちょっと緊張が走った打球がファーストとライトの間に落ち、テキサスヒットです!
満塁となり動揺したか、9番打者にこの回3つめのフォアボール。押し出しで元加賀1点を返します。しかしさすがは全国経験もある深ジャンさん。ガタガタと崩れることなく、その後1番をサードゴロにしとめ、2回表の元加賀の攻撃は1点どまりで終了しました。
2回裏、3回表はジャイアンツ、元加賀ともに三者凡退で0点。
4点差で試合も中盤にさしかかり、元加賀としてはなんとしても抑えたい3回裏。この回、4番打者からのスタート。センターへのヒットで出塁。続く5番がエラーで進塁し、こちらがバタつく隙をつかれて追加点を奪われます。
6番打者の内野安打で、盗塁とボークで3塁まで進んでいたランナーを返されこの回2点目。
ノーアウト、ランナー1塁ピンチが続くか…と思われたそのときです――!!
セカンドへの盗塁を試みたランナーをキャッチャーのケイの送球が捕らえます!ショートから2塁に入っていたカツキがきっちりタッチし、嫌な流れを断ち切りました。7、8番は内野外野がうまくさばきチェンジです。
4回表、相手サードの送球エラーにより5番リュウが出塁。が、続く6番が抜き球を振らされ6-4-3のダブルプレー。反撃したいのにまたもいきなりのピンチ!あれ?この状況、さっき見たような…?いやいや、余計なことを考えている暇はありません。集中、集中!
7番・6年のキヨに、ストレートのフォアボール。これが呼び水となったか、8番、9番にも連続フォアボールでついに満塁!この場面で打順は1番に返り、5年のユウキ。前の試合でもいいアタリを見せてくれたユウキのバットに期待が集まりましたが、1度も振ることなくこの回4つめのフォアボール。押し出し1点です。やっぱりこの状況、さっきも見たような…!?
ここでジャイアンツベンチが動きました。ピッチャーとキャッチャーが入れ替わりで交替。この采配で、続く攻撃をピッチャーゴロにしとめられ、三者残塁で終了。この時点で2-7の5点差です。
もう1点もやれない4回裏、いきなり9番打者がフォアボールで出塁。落ち着いて、楽に楽に!とついつい投手1人に思いを寄せてしまいます。そんなときでも冷静だったのはキャッチャー、ケイ。1塁ランナーが走り出したのを見逃しませんでした。雷光一閃!またも二盗を刺して1アウト。チームの事情で捕手に転向して8ヶ月。努力の成果が1試合に二盗を2つも刺すという結果に現れました。
1番を再びフォアボールで出塁させ2番を三振。2アウトランナー2塁。3番打者に初球を叩かれ、ライナー性の鋭いアタリが外野へと伸びます!万事休すと思ったその時、レフト6年リクのグラブがその球をキャッチ。ベンチもどよめきます。「仲間が苦しいときは、必ず助けてみせる!」という気持ちが、この2つの好プレーに見えた気がします。
なんとしても点がほしい5回表、何度も注意されていた抜き球に引っかかり二ゴロ2つであっさり2アウト。攻めあぐねる元加賀打線に風穴をあけてくれたのは、やはり頼れるキャプテン、リュウ。カウント1-1からの3球目…リュウのひと振りは左中間を大きく抜ける長打に。1塁、2塁、3塁をしっかり踏みしめ、ホームイン!この回は結局この1点で終了でしたが、このアタリで気持ちが楽になったのでしょう。5回裏を三者凡退に仕留めました。
6回表も攻めきれず、得点できません。
その裏、ポンポンと2つのセンターフライで2アウトとしたものの、勝負の神様はよほどハプニングがお好きなのでしょうか、失策が続き、ついにジャイアンツに8点目を許してしまいます。
泣いても笑っても7回表、最終回です。円陣の中心、キャプテン・リュウの声が青空に響きます。
「逆転するぞー!」
選手もベンチも逆転を信じて挑んだ最終回でしたが、先頭バッターがライトフライに打ち取られ1アウト、続く5番がフォアボールで出塁も、6番がサードゴロで2アウト。2アウトランナー2塁。
どう攻める…?そんな時、勝負の神様は平等にハプニングを起こすようで、7番8番が連続フォアボールでついに満塁に!この試合、元加賀が得点する陰に、つきまとうのが2アウトからのフォアボールで満塁。二度あることは三度ある…でしょうか。
9番4年のタイヨウ。1ストライクからの2球目。相手の守備よりタイヨウの気迫が勝ったか、ショートのエラーを誘い、3塁ランナーが返って4点目となりました。なおも満塁。そしてこの場面で打席に立つのは、チームの信頼厚いユウキ。
「やってくれる、ユウキならやってくれる」
カキーーーン!ユウキの迷いなきスイングが、ボールを捕らえます!このアタリでキヨが返り5点目。
が、残念ながら反撃もここまで。5-8で試合は終了しました
もっと試合がしたかたった、そして大きな球場で行進してみたかった、
胸には色々な思いが去来しますが、結果は結果です。
反省会で須藤監督が仰っていたように、相手のほうが野球を知っていた、意気込みが違っていた、勝ちたいという気持ちが勝っていた。そういうことなのでしょう。
私は、キャッチャーフライからタッチアップを狙うなんてことは想像したこともありませんでした。でも実際にはそれをやられました。
素人考えですが、今日の負けは、このプレーに集約されているような気がします。
貪欲に塁を狙う姿勢、場面を見ての判断、野球の知識、今の元加賀に足りないものがこの1プレーに詰まっている気がするのです。
でも成長もちゃんと見えましたよ。
正直な話、新Aチームになったばかりのころであれば、最初の5点をとられた時点で、応援している側も諦めムードだったと思います。でも今のキミたちは、ピンチのときでも目がイキています。
だから今日は応援の私たちも最後の最後まで微塵も負ける気がしていませんでした。前回の江東ファイターズさんとの試合、そして今回のジャイアンツさんとの試合を経て、キミたちが確実にひと回り大きくなったことを感じます。
ここで終わりではありません。
ジャビットカップ、友杯、深川大会とまだまだ道は続きます。タイトル掴みにいきましょう!